共有する楽しさ

出会いから交際に至って、互いのことを良く話すようになったところで、
自分が非常に無趣味な人間であることに気付いたという人もいるのではないでしょうか。
読書や映画鑑賞など、履歴書に記載する当たり障りのない趣味の項目が、
いつの間にか自分のそれだと思い込んでいたものの、
実際には「趣味です」と胸を張って言えるほど深さのあるものではないと気付き、
自分は無趣味に近いのではないかと、相手の趣味について知ったところで
思ったという人も少なくはないことでしょう。
広く浅く、何事にもひと通り興味を示し、どれについてもそこそこの知識と経験があるというのは、
出会いの場だけでなく、友人との会話においても多くの話題を提供できることです。
ですが、そのどれかひとつについて詳しい相手が現れた時、
もっとそのことについて詳しく学んでおけば良かった、
そんな楽しい部分があることを知らなかったなど、少なからず後悔したという人も多いのです。
ましてそれが好ましく思い、この先交際を長く続けたいと願う相手の趣味に関する事柄であれば尚更、
もっとちゃんと打ち込んでおけば良かったと思うことでしょう。
もし、交際相手の趣味と、自分の趣味とが違う場合でも、
また、今まで興味を持ったことがない趣味だった場合でも、
相手がその趣味に真剣に取り組んでいる場合には、
そこから学べるものや興味を引く話題に出会うことは多いはずです。
そうした時に、無趣味や、浅く広く出来るだけ多くの趣味をと考え身に着けて来たものだけでは、
相手に伝えられることが少なく、話題としても長続きしないということに気付くかもしれません。
交際の楽しさの中には、互いが持っている知識や経験を共有することも含まれます。
カワイイやカッコイイなど、第一印象で惹かれ合ったのだとしても、
それだけで長く交際が続くことはありません。
互いにどんな引き出しがあるのかや、どんな時にどんな表情や行動力を見せてくれるのかなど、
それぞれが培ってきたものが魅力となって相手の関心を惹くのです。
趣味や嗜好というものも、そうしたもののひとつです。互いの趣味や嗜好を理解するだけでなく、
相手のそうしたものにどれだけ興味が持てるかや、
そこに楽しさを見つけられるかが、交際を長く続けていく上では大切と言えるのでしょう。